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表参道で寄り道 文房具カフェ 後編

表参道のメインストリートから伸びる横道を5分ほど進んだところにある「文房具カフェ」。
この店の大きな特徴のひとつが、現在2500名を超えているという"会員制度"だ。
初回のみ700円を支払うと、小さな鍵が手に入る。これを使えば、テーブルについている引き出しを自由に開けて、中に入っている会員特典を楽しむことができる。

引き出しには、新商品のサンプルや落書き用のノート、文房具販売店のショップカードなど、文房具好きにはたまらない情報が。さらに、普段は店のスタッフしか食べられないまかない食のメニューもある「裏メニュー」なるものも楽しめる。

「文房具とカフェを融合して、文房具の作り手であるメーカーとエンドユーザーの関係性を近づけられる"ハブ"のような空間ができたら面白いと思い、この店をオープンさせました。

実は今、文房具市場は景気の低迷と企業の経費削減の影響で、縮小し続けています。しかしその一方で、パーソナルユーザーの需要がどんどん増えているんですよね。会社が支給してくれなくなったから、自分でセンスに合うデザイン性の高い、面白い文房具を買おうという流れになっているので、メーカーさんも個人客へのマーケティングに熱心です。

会員の皆さんには、直接メーカーさんと意見交換できるイベントに参加していただく機会も作っていますよ」(代表・奥泉徹さん)

会員用の引き出しには、お題が書かれたラクガキノートが。客同士や店とのコミュニケーションとなっている

会員用の引き出しには、お題が書かれたラクガキノートが。客同士や店とのコミュニケーションとなっている

店内に置かれた文房具関連の書籍やカタログも閲覧可能

店内に置かれた文房具関連の書籍やカタログも閲覧可能

引き出しの中にある「裏メニュー」。ちょっとした遊び心に嬉しくなる

引き出しの中にある「裏メニュー」。ちょっとした遊び心に嬉しくなる

表参道で寄り道 文房具カフェ 後編

このカフェを運営しているのは、祖父の代から紙や文房具の卸業を営む有限会社ブロズの代表・奥泉徹さんと、弟で店長の奥泉輝さん。

「日本でいう“文房具”という言葉には、ただの事務用品というだけでなく、愛すべき雑貨という意味も含まれていますよね。でも、私たち日本人が“文房具”という言葉から連想するこのような世界観は独特のものなんです。

中国では事務用品は“文具”と呼ばれていて、“文房具”というと書に関わる硯などの骨董を指します。英語の“ステーショナリー”も同様。これからは、“文房具”という世界観ごと輸出できたら面白いなと」(奥泉さん)

そう語る文房具のプロ・奥泉さんに、春にぴったりな文房具との付き合い方を聞いてみた。

「文房具を“消耗品”ととらえると、インクがなくなるまで使おうという発想になりますが、自分の気持ちを元気づけてくれる道具と考えれば、お気に入りがいくつもあっていい。

春になって洋服を新調したなら、それに合う手帳やペンを買い足してみてはいかがでしょうか。いつも使うペンだけでも変えてみると、意外なほど気分がリフレッシュできるはず。高価な洋服はいくつも買えないけれど、文房具なら気軽に試せて、贅沢気分も味わえますよ」(奥泉さん)

Shop information

店名:文房具カフェ(http://www.bun-cafe.com/

住所:東京都渋谷区神宮前4-8-1 内田ビルB1F

TEL:03-3470-6420

営業時間:10:00 – 23:30 (food L.O. 22:30 / Drink L.O. 23:00)

photo_hiroyuki sato
text_miwako matsuzaki
edit_yu koyanagi