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日本茶上級者を納得させるサービス お茶に思いを馳せる「お茶会」とは 日本茶専門店・喫茶「しもきた茶苑 大山」 後編

1階は日本茶専門店、2階は日本茶喫茶として営業する、下北沢の知る人ぞ知る名店「しもきた茶苑 大山」。日本茶喫茶ながら、名物の「かき氷」を求めて遠方からやってくるファンも多い。

喫茶でかき氷を提供する現社長の大山泰成さんには、ひとつ悩んでいることがあるという。

「氷をひくには技術を要するため、どうしてもかき氷に時間をとられてしまいます。かき氷の注文が多いため、喫茶では日本茶をお出しすることができないのです」(大山泰成さん)

そこで考えたのが、通常の営業時間が終わってから開く「お茶会」(5,000円)の実施。毎月第2水曜日の18時~20時の間で、日本茶インストラクター、日本茶アドバイザー専任講師、茶審査技術段位の最高位である「茶師十段」を持つ泰成さんが講師となり、お茶の楽しみ方や日本茶鑑定のレッスンを行う。

お茶会の定員は10名。参加するのは、自分の店を持つために勉強中の女性や、定年後に日本茶カフェを開きたいというサラリーマンなどさまざまだという。

お茶会で使用される贅沢な茶器セット。通常メニューではでない特別な器たちだという

お茶会で使用される贅沢な茶器セット。通常メニューではでない特別な器たちだという

お茶農家として有名な前島東平さん作の玉露の茶葉。深い緑が美しい

お茶農家として有名な前島東平さん作の玉露の茶葉。深い緑が美しい

お茶をいれるまなざしは真剣だ。この「お茶をいれる技術」を学ぶため、同店に通う人も多いという

お茶をいれるまなざしは真剣だ。この「お茶をいれる技術」を学ぶため、同店に通う人も多いという

日本茶上級者を納得させるサービス お茶に思いを馳せる「お茶会」とは 日本茶専門店・喫茶「しもきた茶苑 大山」 後編

普段、喫茶では本格的な日本茶メニューがない代わりに、このお茶会ではとっておきの日本茶を楽しむことができる。

人間国宝の孫で若手の名工「山田想」が作った常滑焼の急須などとっておきの茶器を使い、日本茶の品評会に出品される特別に作られた茶葉を、泰成さんが丁寧にいれる。お茶農家のこだわりの製法など、そのお茶の持つバックグラウンドを聞きながらいただく日本茶は格別の味わいだ。

「たとえば、静岡の藤枝市岡部のお茶農家、前島東平さんのお茶は品評会のために作られたものなので、一般的に流通はしていません。品評会の入札販売会に足を運んで仕入れました。だからこそ、この茶葉の持つバックグラウンドを聞きながら大切に味わうと、よりおもしろいのです」(大山泰成さん)

かき氷でビギナー層へアピールし、お茶会で上級者が満足する知識と作法を提供する同店。大山さんによると、さらなる構想もあるという。

「今後は、このふたつの中間層が楽しめるようなお茶会を考えています。私はここでさまざまなお茶をいれつづけているので、決まった開催時間を設けず、お好きなタイミングでお茶を味わっていただけるようなものです」(大山泰成さん)

日本茶の魅力を教えてもらうなら、こんな名人がいる店が最適なのでは。お茶だけではなく、贅沢な知識も手に入れられる寄り道となりそうだ。

Shop information

店名:しもきた茶苑 大山(http://shimokita-chaen.com/index.html

住所:東京都世田谷区北沢2-30-2

TEL:03-3466-5588

営業時間:1階(販売)10:00~20:00、2階(喫茶)14:00~18:00(不定休)

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