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雑司ヶ谷で寄り道 キアズマ珈琲 前編

子授けの神である鬼子母神や、夏目漱石・小泉八雲などの著名人が多く眠る霊園に見守られる街・雑司ヶ谷。鬼子母神へ向かう参道の入り口近く、秋の気配を感じさせる大きなケヤキに囲まれた古い民家の一室に、「キアズマ珈琲」というちょっと変わった名前のコーヒー店がある。

目印は小さな赤い看板。
漫画家の神様手塚治虫が住んでいた「並木ハウス」の別館1階にその店はある。参道の石畳にもよく合ったレトロな雰囲気ながら、店のデザインや家具の選び方からはモダンな雰囲気が漂っている。

長いカウンターテーブルの向こうでは、慣れた手つきでコーヒーを淹れるオーナーの姿。
コポコポというお湯が沸く音に耳を澄ましていたら、幸せな香りが漂ってきた。

「"キアズマ"という店名は、好きなジャズプレイヤーのアルバムからもらったもので、元々は"染色体の交叉"という意味があるそうです。
ジャズセッションにもになぞらえて、お客さんが友達や仲間と交流を深める場所になればいいなと思い、名付けました。難しいこだわりはありませんので、コーヒーや紅茶を飲みながらのんびり自由に過ごしていただけたら嬉しいですね」(オーナー高安さん)

1階にはカウンター席とテーブル席、2階の奥には赤い壁のソファ席もある。
友人や恋人と、もちろん一人でもくつろぎの時間を過ごすことができるだろう。

2階。一番奥には赤い壁と障子の格子が和モダンなソファ席がある

2階。一番奥には赤い壁と障子の格子が和モダンなソファ席がある

豆の選別を行うオーナー。作業が手早くあっという間に完了

豆の選別を行うオーナー。作業が手早くあっという間に完了

一杯一杯丁寧に入れてくれるコーヒーに心もほっこり暖まる

一杯一杯丁寧に入れてくれるコーヒーに心もほっこり暖まる

雑司ヶ谷で寄り道 キアズマ珈琲 前編

2階へ上がる階段の手前に置かれた大きな焙煎機は、まるでオブジェのよう。
もちろん飾ってあるわけではなく、自家焙煎のために使われるものだ。

ブレンド珈琲の基本メニューは、キアズマブレンド(深入り450円)、アメリカンブレンド(中浅煎り450円)、アイスコーヒー(強深煎り450円)の3種類。

そのほか、ドミニカパラオナAA、コスタリカSHB、グアテマラSHBなどのストレート珈琲、さらに紅茶類もかなり充実している。

珈琲、紅茶と一緒にスイーツをいただくなら、ベイクドチーズケーキ、ミルクシフォン、ガトーショコラはいかが?甘過ぎないのに濃厚なスイーツたちは、すべてオーナー自ら手作りしたものだ。

カウンターに座って一息入れていると、参道から涼しい風が通り抜けた。
店の前にたたずむ樹齢400年とも言われるケヤキ並木がざわざわと音をたて、ひらひらとその葉を散らしていく姿を見ていると、秋の深まりが感じられる。

時間の流れが遅く感じられるような、ちょっぴりノスタルジックな時間。
このキアズマ珈琲に寄り道して、日常にホッと一息入れてみてはいかがだろうか。

Shop information

店名:キアズマ珈琲

住所:〒171-0032 豊島区雑司が谷3-19-5

TEL:03-3984-2045

営業時間:10:30~19:00(水曜定休)

photo_hiroyuki sato
text_miwako matsuzaki
edit_yu koyanagi