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イラストレーター宮島亜希 後編

白いキャンバスとモノクロの繊細な線。そして、鮮やかな原色が美しいイラストを手がける宮島亜希さん。メインモチーフの"女性"には、どんなイメージがあるのだろう。

「女性にこだわるのは、男性とは違う強さや繊細さに魅力を感じるから。男性を描いても、なんとなく中性的になってしまうんですよね。具体的にモデルにした人物はいませんが、もしかしたら自分が憧れる女性像をイラストにしているのかも。

こだわっているのは表情。最初の頃は目玉すら描きたくなかったくらい、あえて無表情にしています。笑顔の女性を描く必要がある時もありますが、ムズムズしちゃいます(笑)。

ファッションモデルさんは、服の素晴らしさを際立たせるために、あえて表情を消す場合がありますよね。私の絵に登場する女性たちも同じ。私は女性の顔に表情をつけて何かを伝えたいわけではなく、一枚の絵としてのビジュアル作りに徹したいと思っています。

笑顔の女性を描くと、"幸せな絵"というくくりに自動的になってしまう。でも、笑っていないからといって、不幸とは限らないですよね。そう決めつけるのも嫌なんです」

好きなクリエイターさんの作品を買うのが贅沢な楽しみなんです

心が華やぐような色使いには、どんな秘密が?

「私の作品は、カラフルに見えて実は3,4種類の色しか使っていないんです。
パレットを使って、色を混ぜることもしません。すべて原色のまま、紙の上に置いていくだけ。紙の上で自然と混ざった時、言葉であらわせない気持ちになることもよくありますね。自分で偶然できたにじみを眺めながら“こんな気持ちの時あるな”なんて」

そんな宮島さんに、贅沢を感じる瞬間を聞いてみた。

「実は、他のアーティストさんの作品を買い集めるのが趣味なんです。
自分でイラストを描いてお金をもらったら、それで大好きなイラストレーターさんの作品を買う。私にとっては、とても大切で贅沢なことですね。

選ぶのは、自分とはまったく逆の作風の絵。同じ人物画でも自分には描けないタッチだったり、ラフタッチのシュールな絵に憧れています。美しいけれどダークな感じのものが大好き。購入した絵は、壁に貼って幸せに浸っています。

これからは、他分野で活躍するクリエイターたちとコラボした作品も作ってみたいですね」

日差しが心地いい新緑の季節、お散歩がてら個展や美術館など、芸術にふれられる刺激的な場所に足を運んでみてはいかがだろうか。

イラストに使う画材はこれで全部。驚きの少数精鋭ぶりだ

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「人が作ったものが好き」という宮島さんの胸には、お菓子モチーフのブローチが

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気分を上げたい時は、ネイルをチェンジ。「いつも私らしい色を見つけて塗ってくれます

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プロフィール

宮島亜希(ミヤジマアキ)

イラストレーター

1979年滋賀県生まれ。京都造形芸術大学 学芸学部 情報デザイン学科卒業後、イラスト、ドローイング、ペインティング、デザインなどの作品を多く手掛ける。日本だけでなく海外での個展やフォトブックなどにも参加。ミュージシャンのアルバムジャケットや、アパレル、広告などで活躍中。

オフィシャルサイト:http://akimiyajima.com/

photo_yoshinobu_bito
text_miwako matsuzaki
edit_yu koyanagi