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私たちは、月のリズムを自然と感じながら生かされている 女性にうれしい『月ヨガ』創始者 島本麻衣子

月の満ち欠けが人間の心と体にも影響を及ぼすことに注目し、「月ヨガ」を考案した島本麻衣子さん。夢をかなえるために上京し、緊張続きの生活を送っていた頃の経験から、独自のヨガスタイルが生まれた。

「もともとはモデル志望でした。マスコミや大手企業の本社が集まる東京で勝負をしようと上京したのが約10年前のこと。何回もオーディションを受け、受けては落ち、アルバイトで食いつなぐ日々が続きました。

モデルとしてのオーディションの合否って、時代が求めているものに合うのか、イメージに合うのか等、その人個人の中身とはあまり関係ないように感じました。でも、当時はそれに合わせようとして外側ばかり気にかけて随分無理をしましたし、なかなか認められないと、フラストレーションがたまってしまって……。悲しみや怒りなど、今考えれば必要のないネガティブな感情にとらわれてしまったものです。

そんなとき、母の勧めでヨガを始めてみたんです。
最初はプロポーションを保つためだったのですが、いざやってみて驚きました。体だけではなく、心も変化していることに気がついたんです。『なんだろう、このリラックスしている感じは!』と衝撃を受けたのを覚えています。今までも、ダンスやテニスなど、運動はたくさん挑戦してきたのですが、どれも長続きしませんでした。しかし、ヨガだけは違ったんです。ひとりで、自分のペースで呼吸を整え、瞑想ができるというところがよかったのでしょう」

月のリズム、宇宙のリズムを理解したら ありのままの自分が好きになった

ヨガとともに、東京生活を送る島本さんを慰めてくれたのは月だった。月を見て、思い出すのは祖母のこと。そういえば、祖母は夜空を見上げては、その日の月の形とその日の出来事を書きとめる「月日記」をつけていた。そこで、島本さんも祖母を見習い、自分も月日記をつけてみることに。

「月の満ち欠けの入ったカレンダーを買って、日々の出来事を書きとめていくと、怒りや悲しみが止まらないとき、ウキウキとして行動的になるとき、そして妙にゆっくりしたいときなど、その日の気分と月の満ち欠けに関連があることに気づいたんです。『じゃあ、今日はこのポーズをとってみたらどうだろう』『ああ、確かにこのポーズはとてもいい』と試行錯誤を続けるうちに、いつのまにか『月ヨガ』が出来上がっていきました」

月ヨガを考案したことで、島本さんの心にも変化が現れた。

「月によって、自分は生かされているんだなあと思うと、とても気持ちが楽になったんです。感情がコロコロ変わる自分を受け入れられるようになったんですね。だから、他人と自分とを比較する事がなくなりました。」

「モデルとして成功したい」とこだわりを持っていた島本さん。月ヨガによってあるがままの自分を受け入れられるようになると、自分を取り巻く環境まで変わっていったという。

「『何が何でもモデルでなきゃ』というこだわりがなくなったら、なぜか出たかった雑誌やテレビ番組から声がかかるようになったんです。人それぞれ、持っている才能は違うので、それをきちんと理解して行動すれば、波長が合って宇宙が味方してくれる。以前は『あの人ほど目が大きくない』などと他人をうらやんでばかりでしたが、そのようにとらわれることが、本当に減りましたね」

月ヨガを通じて、島本さんは自分本来の魅力を取り戻した。それが今の充実した生活につながっているのだろう。穏やかな笑顔が何よりもそれを物語っている。

とにかく体が柔らかい島本さん。床にぺたっと体をつけて、お茶目な笑顔

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手先にまで神経を行き届かせる繊細なポーズ

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心を落ち着けてマントラを唱えることも

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プロフィール

島本麻衣子

兵庫県出身。2002年に上京、2003年にワコールのCMを機にデビューし、雑誌モデルや女優として、映画や舞台に出演するなど、活躍の幅を広げる。ヨガとの出会いを経て、2010年に女性に合った「月ヨガ」を実践考案。『月ヨガ』(講談社)など、著書多数。
月ヨガ by 島本麻衣子:http://www.tsukiyoga.com/

photo_hiroyuki sato
text_akiko imai
edit_miwako matsuzaki