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少女漫画研究家による、大人の女性にこそ読んでほしい「少女漫画」4選 少女漫画研究家 小田真琴 後編

年間500冊以上の少女漫画を読むという、少女漫画研究家の小田真琴さん。月刊誌も月に十数冊チェックしていて、新しい作家・作品のチェックにも余念がない。

「元々は趣味で読むだけだったのが、漫画仲間の編集者が『雑誌でレビューを書いてみないか』と言ってくれたので、そこから連載など書かせてもらうようになりました。

毎年『これ以上面白い作品は出てこない』と思っていても翌年にそれを越える新しい作品や作家さんが出てくるんです。多くの人に読んでもらいたい作品がたくさんあります。

今の漫画は出版数も多く、面白い作品でもすぐに埋もれてしまう状態です。それに、一度少女漫画から離れた大人は、何を選んだらいいか分らなくてなかなか手を出しづらいのではないかと思うんです。だからこそ自分の書いた文章をきっかけに、誰かが少女マンガを買ってくれたときはとてもうれしいですね」(小田さん)

平日の夜におすすめ「少女漫画」でつかの間のトリップ

最近は、女性の生き方が多様化している影響もあり、少女漫画も細分化しているという。そこで小田さんに、その日の気分によって読み分けられるおすすめの作品を選んでもらうことにした。

「ヤル気を出したいときにおすすめなのが、『おんなのいえ』(著者・鳥飼茜/講談社)。3年付き合った彼氏に振られて、仕事も上手くいかない29歳の女性のお話です。かっこいい名ゼリフ連発で、主人公と共通点がある女性ならきっと希望と勇気をもらえるはずです。

胸キュンしたいときにおすすめなのが、『花と落雷』(著者・渡辺カナ/集英社)。片思いをしている女子高生が主人公の学園もので、だんだんと登場人物の持つ悲しい過去が明らかになっていきます。絵は王道の少女漫画という感じで非常にきれいなのですが、この漫画家さんが描くキャラクターは皆深い感情を持っていて、大人が読み込める作品に仕上がっています。

若かりしころの青臭さを思い出したいときにおすすめなのが、『かくかくしかじか』(著者・東村アキコ/集英社)。自分の絵の才能に自惚れている女子高生が、美術教師と関わる中で成長していくお話。これは、ある程度年齢を重ねて、責任あるポジションに立つ女性に読んでもらいたいですね。先生あのころはごめんなさいという後悔と、感謝の気持ちが沸いてくるような……胸にズキッと響く作品です。

とことん笑いたいときにおすすめなのが、『高台家の人々』(著者・森本梢子/集英社)。妄想ばかりしている地味な女の子が、心の中を読む能力を持つ、高台家の金持ちきょうだいにイジられながらも愛されるというお話。テンポ良く読ませてくれます。この漫画家さんは『ごくせん』(集英社)でも有名ですね」(小田さん)

寝る前にベッドで少女漫画を読み、つかの間のトリップ。平日の贅沢として、こんな習慣を始めてみては。

おすすめを聞くと、書庫から抱えきれないほど持ってきてくれた小田さん。「埋もれがちですが、いい漫画家さんがたくさんいるんですよ」

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小田さんは奥様と2人暮らし。乙女心をくすぐるインテリアは奥様の趣味かと思いきや、「僕がセレクトしました」とのこと

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平均して、毎日2~3冊のペースで少女漫画を読むという小田さん。「仕事で使うときのために、心に残ったページはiPhoneで撮影してアプリで管理しています」

平均して、毎日2~3冊のペースで少女漫画を読むという小田さん。「仕事で使うときのために、心に残ったページはiPhoneで撮影してアプリで管理しています」

プロフィール

小田真琴

1977年生まれ。女子マンガ研究家。「SPUR」にて「マンガの中の私たち」、「婦人画報」にて「小田真琴の現代コミック考」連載中。Web「サイゾーウーマン」にて「女子まんが学入門」を不定期連載中。
http://d.hatena.ne.jp/odaodanew1/

photo_tomoko tahara
text_ yui tanaka(pless labo)