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コスチュームデザイナー 小林あっこ 後編

自身のアパレルブランドを運営しながら、舞台や映画の衣装やブライダルドレスを手掛ける小林あっこさん。
国内外で活躍し続けるデザイナーだ。

コスチュームのデザインは、毎回がチャレンジだと小林さんは言う。

「ブライダルはリアリティの中から非現実感を出す作業ですが、
コスチュームは反対に、実在しない人物や世界観の中で
リアリティを追及していく作業。
ストーリーや人物の生い立ちから性格を
想像していく過程は楽しいですね。
例えば、ポケットひとつとっても、
紳士なのかやんちゃなのか、
貴族なのか職人なのかによって位置が変わってきます。

目指しているのは、体を動かしたときの見せ方を計算しつつ、
俳優さんに最後まで寄り添ってパワーを与えられる衣装。

コスチュームデザインは、毎回チャレンジですね。

無理難題を課されることも多いですが、
それをクリアしたときに自分だけでは到達できない
高みにまで登れるのが快感で、ノーは言わないと決めているんです。
毎回悩みながら問題を乗り越えていく過程が、
苦しいけれどとても楽しいですね」

自分の作品で幸せの連鎖を起こしたい

つらいことがあっても仕事に戻ると幸せな気分になるという彼女に、
ちょっと贅沢だと感じるひとときについて聞いてみた。

「夫とたわいもないおしゃべりをしながら料理をしたり、
2匹の愛犬と遊んだりするのが大好き。
気持ちがほぐれて、笑顔になります。

それから、1日1回はアトリエの庭に出て、
裸足で大地を歩くことを心掛けているんですよ。
人間の体はストレスなどの悪い気がたまると熱を持つそうで、
大地はその熱を吸収してくれるとか。
実際にやってみると本当にスーッと体が楽になるのを感じます」

そんな小林さんにとって、今後の目標は?

「これからもずっと、人を幸せにできるような洋服を作り続けたいですね。
そしてその幸せは長く続くものであってほしい。
私が作った衣装を見て衣装デザイナーという夢を持った
若い子がいると聞いたのですが、
そんな風に作品がさらなるハッピーを生んでくれたり、
ドレスを作った花嫁さんのお子さんが結婚するときに、
また相談に来てもらえるようなお付き合いができたら最高ですね」

秋の夜長、幸せ感度を上げる工夫をしてみてはいかがだろうか。

デザインは日本の折り紙や幾何学模様、建築などからヒントを得ることも。「平面で立体を作るという日本の文化を大切にしたい」

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ウェディングドレスで大切なことは、その人の体のラインを美しく見せること。ちなみにこのドレスは妹さんのものだそう

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映画の撮影で使うヘッドアクセを手に。アンティークものも探すのが困難なものは自分でパーツを作成する

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プロフィール

小林あっこ(こばやしあっこ)

自身のブランド「au,B」をプロデュースしながら、数々のウェディングドレスやブライダルドレス、舞台衣装、オペラ衣装などを手掛けるデザイナー。文化服装学院アパレルデザイン科、工科専攻科卒。コペンハーゲン、ミラノなどでもエキシヴィジョンを開催するなど、多岐にわたり活躍中。バンタンデザイン研究所講師、東京デザイナー学院講師も務める。

BLOG:http://profile.ameba.jp/hapinavi-acco/http://profile.ameba.jp/hapinavi-acco/

photo_nobuyuki sasaki
text_miwako matsuzaki
edit_yu koyanagi