平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

ちょっと贅沢お作法

はじまりはのろしから、起源はイタリア。 知る人ぞ知る花火の歴史豆知識

起源は中国、その後、ヨーロッパに伝わり、鉄砲伝来とともに日本へ伝えられた花火。
あちこちの土地で進化を遂げ、美しさが磨かれてきた花火の歴史を学んでみましょう。

紀元前3世紀の中国で使われた爆竹が起源だという説や、
10世紀まで花火はなかったなど諸説あるけれど、
花火の始まりは中国だったというのが現在の一般的な見方。

しかし、最初のものは今の花火とは似ても似つかない、
のろしのために使われた黒色花火であったり、
敵陣にロケット花火のようなものを打ち込み、
威嚇をしたり火事を起こしたりするためのものであったそう。

その後、13世紀頃にヨーロッパに伝来。
当時の花火は王族や貴族のものであり、
主に王族が行うイベントなどで打ち上げられていたそうです。

主な生産地はイタリアで、一説には火を吐く人形のようなものも作られたとか。

日本への伝来はいつなのか定かではなく、
16世紀の鉄砲伝来とともに製造されるようになったと言われていました。

今の日本の花火の原型となる形ができたのは江戸時代。

「玉屋」「鍵屋」の掛け声でお馴染みの鍵屋が
1659年におもちゃ花火を売り出しました。

当時は、この鍵屋のような花火業者の花火は「町人花火」と呼ばれていました。

このほかに、大名たちが配下の火薬職人に作らせる花火もあり、
そちらは「武家花火」と呼ばれていました。

武家花火は戦に用いる信号弾のようなもので、
色や形を楽しむ町人花火とはまた違うものだったようです。

平面で見せる町人花火、垂直方向の高さを競う武家花火。

このふたつの方向性の違いが、
現在の日本の花火の技術を作り出したとも言われています。

海を渡り、さまざまな人の手を経て、技術を進化させ、今も夏の夜空の彩る花火。

昔の人々も、現代と同じように花火を見て胸を高鳴らせたでしょう。
一瞬の花火の中に長い歴史が見えそうです。

text_akiko mitani
illust_yu koyanagi