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ちょっと贅沢お作法

日本人の知らない「文字のはなし」 日本で使われている「文字」というコトバ 中国では「文」と「字」は別のものなのです

わたしたち日本人が使っている文字「漢字」は中国由来のもの。
当然「文字」という単語の意味も中国と同じだと思っていませんか?
実は中国では「文」と「字」は別べつのもので、
それぞれ異なる意味をもち、使い分けられているのです。

冒頭の写真は、中国の安陽にある文字博物館の写真です。
安陽は、甲骨文が出土した「殷墟」の街として知られています。

写真の手前にあるのが鳳凰の「文」で、
その後ろに見えるのが「字」の巨大なオブジェです。
建物の入口付近には、左右にズラリと
甲骨文を模したオブジェも並んでいます。

「文(もん)」とは「紋(もん)」のことであり、
「物の表面に表された図形。あや。文様」を意味します。
つまり、なんらかの概念や民族間での共通のしるしとしての
意味をもった、絵柄や記号や紋様ととらえることができます。

いっぽう、わたしたち日本人が使っている「文字」という概念を
中国語で表す場合は、単に「字」のみとなります。

そのため、漢字のはじまりとされる「甲骨文字」も、
実は「甲骨文(こうこつもん)」という表現が適切であり、
中国ではそう表されるのが一般的です。

「文」の例としては、

鳳凰文[鳳は雄鳥、凰は雌鳥を表し、対で鳳凰とされる]、
饕餮文(とうてつもん)[悪食の猛獣で魔を喰らう]、
四つの方位や季節をつかさどる四神文の
青龍文、白虎文、朱雀文(すざくもん)、
玄武文(げんぶもん)[亀に蛇が巻きついたもの]、
などといった想像上の怪物や、

蝉文、魚文、唐草文など、実存する動植物、
縄文、雷文などの幾何学文様、
字が文に転じた例としては双喜文(そうきもん)、寿文
などといった、さまざまな文が存在しています。

photo_Kaori Oishi
text_ROBUNDO Jiro Katashio & Kaori Oishi