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主人公が「見出される」少女漫画と「成長する」少年漫画

少女漫画と少年漫画。近頃の漫画ファンは両方垣根なく読むことが多いですが、その違いは一体どういったものなのでしょうか。少女漫画、少年漫画の作風の違いや、相互の影響について調べてみました。

●少女漫画と少年漫画のストーリーの違い
少年漫画は基本的に戦いやアクション、バトルシーンが多いものが好まれます。ジャンルとしては冒険漫画やスポーツもの、格闘ものなどが主流で、主人公の成長に着眼点が置かれているものが多数。ギャグ漫画やラブコメも人気を集めています。

少女漫画は、題材としては恋愛を扱ったものが主流。学園もの、芸能界を舞台にしたもの、ホラーやミステリーなども発表されており、低年齢層向けでは魔法を使える少女が活躍する漫画が数多く見られます。

●少女漫画と少年漫画の主人公の違い
少年漫画の主人公は基本的に「成長する」もの。強さはもちろんですが、近年では心の成長に主軸を置く展開が多く見られます。『うしおととら』、『ONE PIECE』などは冒険を通して主人公が心の成長を遂げていくシーンが多数。
また、脇役の描写がしっかりしているのも少年漫画の特徴です。『SLUM DUNK』の怪我で挫折して一度はバスケ部を潰そうとした三井が「バスケがしたいです……」と涙ながらに告白するシーンや、『ダイの大冒険』で主人公のお供をする魔法使いのポップが臆病で逃げ腰だったところから勇敢で頼れる仲間になる様子など、主人公以外にも心の成長が読み取れます。

対して少女漫画では、主人公は他の誰かから「見出される」ことが多く見られます。「自信がない女の子が、自分では気付かなかった魅力や才能を他人が見つけてくれる」というストーリーが王道パターン。
変人として見られていた主人公・野田恵(のだめ)の才能をエリート音大生千秋真一が見出す『のだめカンタービレ』、通称:貞子として恐れられていた主人公・黒沼爽子の性格の良さをヒーロー風早くんが見つける『君に届け』などが近年の代表的な作品です。

●少女漫画の絵柄、少年漫画の絵柄
少女漫画は、絵柄が繊細でかわいらしく綺麗なものが多いのが特徴。主人公の心の動きに重点が置かれ、モノローグを多用し、作品世界の情緒を大切にします。

少年漫画は1950~60年代にかけて流行した劇画の影響を受け、リアルで写実性のある絵柄が王道とされる時代が長く続きました。しかし、ここ最近は、少女漫画の絵柄や心理描写の手法を取り入れた少年漫画が登場したり、ギャグ漫画で定番だったポップで軽快な印象の絵柄を取り入れた少年漫画も増えてきています。

昨今では女性読者も少年漫画や青年漫画を読むようになり、それに伴って少女漫画と少年漫画は互いに影響し合うことに。キャリアを積んだ少女漫画家が青年誌で連載を始めたりとボーダレス化が進んでいます。

互いに切磋琢磨して、新たな作品を作り出す少女漫画と少年漫画。新たな作品が生まれてくるのが楽しみですね。

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