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ちょっと贅沢お作法

憧れの高嶺の花。実は手の届く存在だった

遠くから見るだけで手に入れることができないもののことを指す高嶺の花。この言葉の由来になっている植物をご存知ですか。実は身近にある花だった、高嶺の花の由来と意味をお伝えします。

■高嶺の花の由来は「シャクナゲ」から
福島県と滋賀県の県花にも指定されている誰もが聞いたことのある花「シャクナゲ」。春になるとよく生垣などでも目にするピンクや白の花です。
実はこのシャクナゲはもともとは高山植物。標高の高い山に分布し、滅多に見られないものでした。そこから、「高嶺の花」という言葉が生まれたのです。

■現在よく見られるシャクナゲは「西洋シャクナゲ」
シャクナゲが日本で一般化したのは、イギリスから西洋種がやってきた明治時代。育てやすい園芸品種の西洋シャクナゲが広く栽培されるようになりました。高山でなくても容易に育つように品種改良されたからこそ、こうして広くあちこちで見られるようになったのです。

■亜寒帯から熱帯山地まで広く分布
シャクナゲには多様な種類があり、ホソバシャクナゲやキョウマルシャクナゲと言う絶滅危惧種もあります。また、屋久島でしか育たないヤクシマシャクナゲという種類も。世界的に見ると、もとは高山植物なだけあってやはりヒマラヤ周辺に多くの種類のシャクナゲが咲いています。ヒマラヤは雪が降るほど寒い地域ですが、雪に覆われている地面は比較的暖かいとされています。もとは寒さに弱いシャクナゲが育つ理由はここにあるそうです。

■「高嶺の花」にも毒がある
綺麗な花には毒があると言われていますが、「高嶺の花」であるシャクナゲにも実は毒があります。痙攣や運動麻痺、呼吸困難を引き起こすロードトキシンという成分が含まれているのです。しかし、一方で、シャクナゲは利尿薬として、また痛風やリュウマチ、痛み止めとしても用いられてきました。適量を間違えると大変なことになるので、素人が手を出すことは控えるべきですが、毒にも薬にもなる植物といえそうです。
身近になった「高嶺の花」。シャクナゲの開花時期は4~5月なので、これから見かけることも増えてくるはずです。昔は滅多に見ることができなかったと思うと、より美しく見えるかもしれませんね。

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