平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「夜」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

8月のテーマは「夜」。心と体を休める一日の終わり。穏やかになったり、寂しくなったり、様々な思いが巡るひとときです。きらめく夜空のようにロマンチックで、そしてちょっぴりエロティックな歌を集めました。
第3週目である今回は皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 木星がまっすぐ下りる窓だった君の部屋から見える夜空は
  • 二人でいる夜に決まって焚く香の灰が積もって生まれた砂漠
  • 眠ってる君のことだけ切り取った無声映画の監督になる
  • 満月のうさぎよ僕が泣いたならせめて涙を照らしておくれ
  • 月満ちて鏡のごとくかがやけど遥かな国の君を映さず

ひとつ情景や記憶を歌にするとき、見たままや覚えているままを詠うより、何かに例えたり置き換えたりすると歌に広がりが生まれます。1首目では自分を映画監督に例え、2首目ではお香の灰を砂漠に見立てました。何気ないワンシーンがたった一工夫で、ぐっと詩的に生まれ変わります。
Leoさんの作品でも、月が鏡に例えられています。円形の鏡のイメージと「君を映さず」という表現が響き合って、とても美しいですね。甘いもさんは悲しみの独白を、月に住むうさぎへの願い事として表現しています。読んでいるうちに読者がうさぎに置き換えられて、まるで自分が迫られているような、緊張感の漂う一首ですね。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版)がある。また、日本における同性愛への偏見の解消にも取り組んでいる。

http://ameblo.jp/suzukakeshin/