平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「街」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

12月のテーマは「街」。イルミネーションが灯りクリスマスソングが奏でられ、1年の中で街が最もきらびやかに彩られる季節です。今年最後の『贅沢短歌』では、そんな街の至る所で繰り広げられる12月の恋人たちのストーリーを描いた歌を集めました。
第3週目である今回は皆さんからの公募短歌をご紹介、12月25日クリスマスには好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 26日に残った店先のツリーみたいにまだ好きでいる
  • サンタさん、プレゼントとの引き換えに忘れ去りたい恋があります。
  • 真昼間の銀座の歩行者天国にいるのは君じゃない人ばかり
  • 街中のひかり集めてビルは立ち瞬くことを忘れた僕ら
  • あの街のどこかで君がいるという安心感で今日を生きよう

 日萌嘉(かもか)さんは主婦の方ということで、かつて好きだった人を想っているのでしょうか、忘れられない恋の面影が見えるようです。もしかしたら偶然なのかもしれませんが、「どこかに」でなく「どこかで」とすることで「いる」という動詞が際立ち、「暮らしている」「生きている」など様々な意味を持つ印象的なフレーズに仕上がっています。
 本間紫織さんはとっても詩的な歌を送ってくれました。夜景スポットとして有名な札幌の街並が目に浮かびます。末尾を「僕ら」という名詞で終えているので、それまでの5・7・5・7・4音すべてが「僕ら」を彩るためのキーワードとして活用されています。街の無数の光と、それを見つめる僕らとの対比が上手く表現された一首ですね。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版)がある。

http://suzukakeshin.com/