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テーマ「朝」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

1月のテーマは「朝」。新しい1年、新しい1日の始まり。東の低い空が藍色から薄紅に染まり、長く静かな夜が明ける。まだ朧げな意識の中、緩やかに訪れる幸福な朝の幕開けを、12首の短歌で表現しました。
今週は皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 仄白く光り始めた君の目を見ていた 朝がやって来たんだ
  • カーテンを開けた夜明けに東から二人に当たるスポットライト
  • 少しでも同じ未来になるように運命線を合わす掌
  • 昨日とはまるで違った人みたい白いお皿に光が跳ねる
丸山朱梨さん 34歳 会社員 東京都在住
  • はじまりの扉を叩く朝日からこぼれるものを胸にひたして
星乃咲月さん 北海道在住

 今回の公募短歌は、まさに新たな一日の幕開けに相応しい歌が届きました。
 星乃咲月(ほしのさつき)さんの歌は、まず見た目がとっても美しい!冒頭の「はじまりの」、末尾の「にひたして」が共に同数のひらがなで表記されていてバランスが良いですね。「朝日からこぼれるもの」を「胸にひたす」というポエジーな表現から、単に太陽が昇っただけではない、朝に抱く強い決心が伝わってきます。
 丸山朱梨(あかり)さんは、大切な人との新たな関係が始まる朝を描いています。それがどんな関係なのか具体的には詠われていませんが、光が「跳ねる」という表現から、嬉しさに心躍るハッピーな感情が伝わってきますね。上の句と下の句の繋がりが無いように思えつつも、二人だけの新たな朝食のワンシーンが目に浮かぶような流れで作られています。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/