平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「涙」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

3月のテーマは「涙」。喜びや悲しみ、感情の激しい昂りによって人の目から零れ落ちる滴。堪えきれず込み上げた様々な想いが形となった、この世で最も美しい液体と言えるのではないでしょうか。そんな皆さんの涙を誘うべく、とびきり切ない"泣き"の12首を集めました。
第3週目には皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 夕立が降れば誰もが傘をさすように泣いたら来てくれますか
  • 頬濡らす雨は涙に似て非なる泣いているのは空じゃなく僕
  • 忘れ物を取りに戻ってみた部屋に君がいるはずなんてなかった

雲や街の色がどんよりとしたグレーに染まり、人々の気分もなんとなくブルーになる雨模様。子供の頃、雨が降ると「空が泣いているみたいだ」と思っていました。そんな幼い頃の自分と、泣いているのは空じゃなく僕だった、として大人になった自分とを対比させた2首目は、短歌を始めたばかりの初期に書いた作品です。
3首目も雨をモチーフにしていますが、『涙は女の武器』なんて言われているように、涙がときとして発揮する“ずるさ”を表現しました。男の僕も恥ずかしながら、かつての恋人との喧嘩で泣いてしまったとき「泣くのはずるいよ…」と呆れられてしまったことがあります(笑)。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/