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テーマ「夢」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

4月のテーマは「夢」。暖かな春が新たな出逢いをもたらす季節。まだ着慣れない学生服を身にまとった若者たちを見掛けると、自らの青春が思い起こされます。夢と希望に満ち溢れ、何だって叶えられる気がしたあの頃を詠った、ノスタルジックな15首を集めました。
今週からは皆さんからの公募短歌をご紹介、第5週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 友達も仕事も国も捨て去って2人でどこか遠くへ行こう
  • 両親の元から君を連れ去って海を見に行くためだけのテロ
  • あいつらのデートを邪魔してやりたくて逆さにつるすてるてるぼうず
  • 肉じゃがの味見に夢中になるきみの肩甲骨のかたちが好きだ
空木アヅさん 愛知県在住
  • 夢を持てと言われて夢を語れば夢を見るなと大人は嗤う
貝田ひでをさん 69歳 熊本県在住

 今週は恒例の公募短歌をご紹介!読者の皆さんが抱く「夢」の形とは?
 貝田ひでをさんからは、年輪の厚みを感じるどっしりとした一首が届きました。既にすっかり「大人」であるはずの貝田さんが、あえて若者の目線から詠っているところがとってもユニークですね。僕もこんな感覚を忘れない大人になりたい!と思わせてくれます。句またぎで構築されていますが、例えば「語れば」を「語らえば」として、思い切って字余りとしたほうが美しいかもしれませんね。
 空木(うつぎ)アヅさんは、「夢中」という言葉をピックアップした作品を送ってくれました。キッチンに立って、少し背中を丸くした男性の姿が思い浮かびました。単にシルエットとしてだけでなく、服の上から見受けられる骨の微かな動きにも注目していることから、相手に対するアヅさんの熱い想いと視線が伝わってきますね。平仮名と漢字のバランスもきれいです。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/