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テーマ「夢」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

4月のテーマは「夢」。暖かな春が新たな出逢いをもたらす季節。まだ着慣れない学生服を身にまとった若者たちを見掛けると、自らの青春が思い起こされます。夢と希望に満ち溢れ、何だって叶えられる気がしたあの頃を詠った、ノスタルジックな15首を集めました。
今週は好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 朝が来てなにもかも忘れてしまう夢のつづきじゃなくてよかった
  • 同じ木で歌った二羽のカナリアとしての前世を信じてみたい
  • 好きだよと言えなかったのはブレザーのきつくしすぎたネクタイのせい
  • なつかしい花の名前を思い出す夢と現に漂いながら
星乃咲月さん 北海道在住
  • この夢を終わらせちゃうのは少しだけもったいないからあと五分だけ
練さん 茨城県在住

贅沢短歌Webラジオ

 今週の公募短歌は「夢」というテーマを、眠るあいだに見る夢として捉えた2首をご紹介します。
 練さんの歌では、目が覚めた朝のベッドで起きられずにいる情景が描かれています。今すぐに目を閉じたなら夢の続きが見られるかも知れない、そんな瞬間てありますよね。あるいは「早く起きなさい!」というお母さんの声に対しての返事だったとしたら、とってもコミカルな一首として読むことができます。どちらにしても心がほっとするような気持ちになる作品ですね。
 星乃咲月(ほしのさつき)さんは夢によって、かつての記憶が思い出されたエピソードを詠っています。「なつかしい花の名前」が何であったかは明かされていませんが、そのちょっぴりモヤッとした表現が、夢と現実の区別がはっきりしていない、まだ目覚めたばかりの朦朧とした意識とリンクしているように思えます。まさに、読者も夢の続きが気になってしまうような歌ですね。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/