平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「色」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

5月のテーマは「色」。花を咲き終えた木々たちに鮮やかな新緑が色づく季節。人々のカラフルな春の装いが街を華やかに彩ります。思い出のページをめくれば、目に映った記憶のワンシーンにも必ず色が付いているはず。そんな様々な色を散りばめた12首を集めました。
第3週目には皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信! それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 8つ目の海が生まれたこの部屋は君が似合うと言った青色
  • 会いたいと思った数と同じだけシロツメクサを植える庭園
  • 毎晩の東京タワーが何色か教えてくれる関係がいい

 僕には4つ年上の兄と1つ上の姉がいるのですが、子供の頃は洋服や靴、カバンや食器などの小物に至るまで、何でも3人お揃いの物を色違いで持っていました。親が青・赤・緑または青・赤・黄の三原色で買い揃えてくると、兄には青、姉には赤、僕には緑または黄色が割り振られるのがお決まり。そのせいか二十歳頃まで最も好きな色は緑で、部屋のインテリアやワードローブがまるで森のようでした。
 ところがある日、当時好きだった人に「君は緑より青の方が似合う」と言われてしまって。そんなまさか! と疑いながら、それまで兄の物だと思っていた青色に挑戦すると、これがなんともしっくり来たのです。今では青が僕の最も好きな色に取って代わりました。3首目ではそんなエピソードを詠っています。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/