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テーマ「色」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

5月のテーマは「色」。花を咲き終えた木々たちに鮮やかな新緑が色づく季節。人々のカラフルな春の装いが街を華やかに彩ります。思い出のページをめくれば、目に映った記憶のワンシーンにも必ず色が付いているはず。そんな様々な色を散りばめた12首を集めました。
今週からは皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信! それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 約束をした日に植えたアネモネが咲かせた花は紫でした
  • それぞれの選ぶ絵の具を混ぜ合わせ生まれた色の壁紙にする
  • シャガールがベラと見ていた色彩を君の瞳に映してみたい
  • 色じゃなく光だったらまざってもきれいな白に近いのでしょう
葛紗さん 27歳 広島県在住
  • 周りには色が溢れているけれど君に恋して僕は盲目
佐藤公人さん 15歳 学生 沖縄県在住

 今週は恒例の公募短歌をご紹介!読者の皆さんが描き出す「色」の短歌とは?
 佐藤公人(ひろと)くんは弱冠15歳!なんとも初々しい作品を送ってくれました。とはいえ何を表現したいかが明快で、かつ31音にしっかりと収めることができている点で短歌のセンスを感じます。下の句『君に恋して僕は盲目』も実直で良いのですが、例えば『君のことしか目に映らない』とした方が、「恋をしている」ということを言わずとも読者に伝えることができます。1首完成しても、更に素敵な歌になるように、言い回しを色々試してみましょう。
 葛紗(かずさ)さんは、混ざり合うほど白くなる光の性質をロマンチックに表現しています。文字だけを追っていくと、なんとも自然科学的な話のようにも思えますが、読んでいるうちに『色じゃなく光だったら』の前に(私たちが)という言葉が見え、心を通わす2人の男女のイメージが見えてきます。決して多くは語らず、歌の背景を読者に委ねている手腕が見事ですね!「白だ。」と言い切らず「白に近い」としたところも奥ゆかしさを感じます。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/