平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「色」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

5月のテーマは「色」。花を咲き終えた木々たちに鮮やかな新緑が色づく季節。人々のカラフルな春の装いが街を華やかに彩ります。思い出のページをめくれば、目に映った記憶のワンシーンにも必ず色が付いているはず。そんな様々な色を散りばめた12首を集めました。
今週は好評のWEBラジオも配信! それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 今度また東京タワーの電飾が青色の日に告白しよう
  • いつまでも決して色褪せることのない現像液を探しています
  • 戻らない君との帰り道はまるで色鉛筆の足りない黄色
  • 初雪へ踏み入ることを躊躇する見るものすべて白き落雁
しゅう・かつ美さん 21歳 大学生 東京都在住
  • サヨナラ。言葉に色がついてたら違う気持ちが伝えれたのに
ふみさん

贅沢短歌Webラジオ

 今週は恒例の公募短歌をご紹介!読者の皆さんが描き出す「色」の短歌とは?
 ふみさんの作品は、まるで恋の終わりを迎えて書き留めた日記の1文のようにドラマチックですね。故意か偶然か、冒頭を5音の「さようなら。」ではなく「サヨナラ。」としたことが素晴らしい!あえて4音の字足らずとしたことで、恋に別れを告げる潔さが滲み出ています。末尾『伝えれたのに』が、ら抜き言葉になってしまっているのが少し残念かな。この場合は思い切って字余りの『伝えられたのに』とした方が美しいかもしれませんね。
 就職活動中なのでしょうか(笑)、しゅう・かつ美さんからは、大学生としては古風な文語短歌が届きました。21歳の若い女性であれば雪の白を、メレンゲやチーズケーキなどのスイーツに例えそうなところを、伝統和菓子の落雁としているところが粋ですね!僕も東京に住んでいるので、先の冬に街が真っ白に染まった大雪の情景を思い出しました。口語短歌として詠った作品も気になるので、ぜひまた応募してくださいね!

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/