平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「雨」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

6月のテーマは「雨」。天から降りそそぐその滴は、ときに優しく大地を潤し、ときに激しく街を濡らします。喜びや悲しみ、まるで人々のあらゆる心模様とリンクするように、雨の景色は水彩絵の具のように思い出を彩り、我々の記憶に刻まれます。そんな雨の季節にぴったりな12首を集めました。
第3週目には皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • とりあえずどこかだれかの恋人を奪いたくなるような雨降り
  • 街中が昨日までの色を変えたみたいだ 雨は恋に似ている
  • あの人が走って会いに来るように冷たい雨が降ればいいのに

 僕にとって雨は大切なインスピレーションの源。これまでも短歌のモチーフとして何度も取り上げてきました。
「天気が悪い」と言えば雨を示し、晴れの日と比較するとネガティブな印象として捉えられることが多いでしょう。しかし勇気を出して街へ出掛けてみれば、晴れた日には見られないたくさんの美しい景色に出逢うことができます。今週の2首目では、そんな雨の日だからこその発見と楽しさを詠っています。
 短歌をつくる際、思い付いたフレーズは詠い出しとして位置付けられることが多いと思いますが、この歌では「雨は恋に似ている」という言葉を先に思い付きました。これを冒頭ではなく末尾に設定してから残りの言葉を埋めていく、短歌を後ろから詠う方法をとってみました。結論を先に決めてしまった方が、歌に絞まりが生まれて案外詠いやすいのです。5・9・7・3・7というイレギュラーなリズムにも挑戦してみました。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/