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テーマ「星空」

歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

7月のテーマは「星空」。途方も無い年月を経て作られた美しい天然のプラネタリウム。人々は太古の昔から星を見上げ、物語を創造し、様々な想いを託しました。どんな季節にも我々の心を捉えて離さない、神秘的な星の輝きを散りばめた12首をお届けしていきます。
今週からは皆さんからの公募短歌をご紹介、第5週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 星座図を新たに創りなおすため僕たちで物語を書こう
  • 絶対に手の届かないあの星にあなたと同じ名前を付けた
  • 何億年後でも形の変わらない星座のように想いを刻む
  • せかせかと歩きながらもふと見ればキラキラ輝く僕の友達
健さん 22歳 学生 大分県在住
  • カシオペアWのイニシャル変わったと風に聞いたよ 幸せになれ
桃子さん
  • 新月にビニール傘を差し掲げプラネタリウムの半球愛でる
紫ょんたさん 21歳 大学生 東京都在住

 今週は恒例の公募短歌をご紹介!読者の皆さんが描き出す「星空」の短歌とは?
 紫ょんた(しょんた)さんは弱冠21歳ながらも、非常に熟れた詠い回しを披露しています。月の無い夜、ビニール傘越しに見る星空をプラネタリウムに例えて表現してくれました。雨が降っているわけではないのに、傘で星を受け止めているというところも素敵ですね。
 先週はカシオペア座を「M」の形に見立てた僕の作品をご紹介しましたが、桃子さんはその逆で「W」の形として詠ってくれました。かつて好きだった人の結婚を、星空を見上げながら少し名残惜しそうに祝福しています。本来「風の便りに聞く」という慣用句を「風に聞いた」としたところが良いですね。字余り無く収めるための苦肉の策だったのかもしれませんが、それがこの歌に独特の印象を持たせるエッセンスとなっています。
 健(つよし)さんの歌にはまだ初々しさが感じられますが、亡き親友への想いを歌に込めたのだとか。忙しない日々に駆けずり回る姿を、「そんなに慌てなくても良いんだよ」と、親友が星空から見守ってくれているかのようです。こうして誰かを想う気持ちを書き残す事こそ、短歌の醍醐味なのではないでしょうか。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/