平日のちょっと贅沢なライフスタイルマガジン Daily Premium Calendar

テーマ「花火」

 歌人の鈴掛真です。『贅沢短歌』では、皆さんの毎日のちょっとしたエッセンスとなるように詠ったオリジナル作品を、創作のコツと共に毎週ご紹介していきます。

 8月のテーマは「花火」。夜空を色鮮やかに彩る夏の風物詩。伝統の技が引き継がれた意匠は、どんなに暗い時代でも人々の笑顔を輝かせてきました。けれどその灯火は美しさと共に、瞬間で消えてしまう儚さも併せ持っています。そして短く終わってしまう夏の切なさも織り交ぜた12首をお届けしていきます。
 第3週目には皆さんからの公募短歌をご紹介、第4週目には好評のWEBラジオも配信!それでは鈴掛真が、奥深い短歌の世界へ誘います。

  • 八月の恋に似ている落ちそうで落ちない線香花火の灯り
  • 紫が似合うのだなと気づかせる浴衣の袖に咲いた朝顔
  • まだ花火大会に誘えただけじゃ夏の課題は終わっていない

 夏の花火大会は、恋人たちのデートに打って付けのイベントですね。そして異性への恋心が芽生え始める十代の若者たちにとって、好きな相手を花火大会に誘うことはとってもハードルが高く、大人への第一歩として重要なプロセスとなっているのではないでしょうか。もちろん、誘っただけでは恋のスタートラインに立ったに過ぎません。1首目ではそんな夏の恋の始まりを詠いました。
 2首目でも取り上げているように、花火大会へ赴くなら是非とも浴衣の着用を。僕もこの時期のお祭りには、お気に入りの浴衣を自ら着付けして出掛けます。ぴっしりと背筋を伸ばして袖を翻せば、いつもと違った装いできっと相手をドキッとさせることができるはず!
 そして3首目は、可愛らしくて儚い線香花火をモチーフにしています。小刻みに震えたり小さな音を立てて弾けたり、それはまるで夏の恋心そのもののようだと思うのです。

プロフィール

鈴掛真(すずかけ しん)

鈴掛真(すずかけ しん)

歌人。
Twitterとブログ「さえずり短歌」で作品を随時発表。短歌インスタレーション、朗読LIVEなど、これまでに無い新たな短歌の表現を追求している。 セオリーは「短歌のスタンダード化」「ポップスとしての短歌」。著書に『好きと言えたらよかったのに。』(大和出版刊)がある。

http://suzukakeshin.com/